こんにちは

ソファーのご紹介の9回目。
厳密に言えば、今回はソファーではなく
SETTEE (セッティ)。

W 160.5 x D 69 x H 90.3 cm
座面高 : 54cm
随所に美しい彫刻が施された
ウォールナットフレームのセッティ!

ところで、セッティって何?

主にイギリスで呼ばれることが多く、簡単な言い方をすれば
幅の少ない2人掛けのチェアーのこと。

チェアーの歴史をひも解けば、それまではチェアーといえば
1人掛けのものが主流だったのが、18世紀頃から、
チェアーから派生して幅の広がった2人でも
掛けることの出来るものが、イギリスで作られました。

それが SETTEE(セッティ)
当時はヨーロッパで高い人気を誇っていました。

そして19世紀に入り、さらに多くの人が掛けることが
出来るように改良されたものを SOFA(ソファー)と呼んで
セッティ と区別するようになりました。

やがてソファーのほうが人々の暮らしに定着してきて
徐々にセッティと呼ばれることが少なくなっていきました。

ということは、現在の私たちの暮らしの中で
当たり前のように定着しているソファーは、
実は家具の歴史の中でみると、比較的新しく
世に出てきたアイテムなのです。

脚とベースの接合部に見られる
LOTUSの葉の彫刻

正面側は、縦長の彫刻が
側面側には、スクエアの彫刻が
施されています。

このセッティは全体のシルエットが直線を基調とした箱型なので
連続したリズムの中で、この彫刻の大きさの違いが、リズムを
崩した動きで、アクセント的な役割を果たしているように思えます。

座面にセッティングされた円柱型のクッションは、腰掛けたときに
腰の部分に、あるいは、肘置きに使えます。

細かいことですが、このクッションの後ろのジッパーが
ちょっとスマートで格好が良いので、ちょっとご紹介を。

私たちがよく見かけるジッパーは、こんな感じ

露出している部分が大きすぎると、時には
その存在感を少し控えてほしい!というケースもあります。

一方で

このクッションに使用されているジッパー。

指でつまむ箇所の形状が細くて、ジッパーを
あまり前面に出さずに縫製することが可能に!

その結果、とてもスマートな印象を受けます。

他にも、細部の丁寧な仕上げなど、じっくりと
眺めてご覧いただきたい逸品です。

是非一度、実物をご覧になっていただければと思います。
                         
                             シンキ  でした。