こんにちは

以前にイタリアから商品を輸入した際のこと。
日本に到着後、コンテナから積み下ろした時に
ガラスに破損がある商品が含まれていました。

アールヌーヴォーからアールデコに
かけての時代のコレクションボード。
とても美しいデザインですが、
天板のガラスが破損!
物の出し入れは、フラップ式の天板を
開閉することによって出来るようになっています。

その後、修理の機会を待ちながら、倉庫の隅に
追いやられていたのですが、先日お客様と
お話しをしている時に、この商品がお客様が
探しておられるイメージにピッタリなことに気が付き、
お客様のご希望に沿って修理を施してから
お買上げいただくこととなりました。

まずは天板のガラス。
本来はフレームにガラスをはめ込み、その周囲は
飾りコードで固定をして仕上げていたのですが、
一度破損していることもあり、強度の面からも
木部枠でガラスを固定する方法に変えました。

BEFORE
AFTER

BEFORE 
AFTER

天板のガラスの固定を終えてから、木部全体を
お客様のお部屋の雰囲気に合うように、少しダークな
トーンに再塗装を施しました。

再塗装後

再塗装後

次は、底板の生地の張替えとその周囲を固定するコード。
コードは側板のガラスの周囲にも使用します。

生地は飾りものがよく映えるよう
無地で質感のある素材に!

コードは生地とは逆に
アクセントのつく色にして
周囲が引き締まるように!

今回の一連の修理
の中で、お客様に助けて頂いたのが
こちら

天板の扉にかける鍵!
クラシック家具では、鍵が取っ手の役割を果たす場面が
多いので、KURITAには色んなタイプの鍵のストックが
あるのですが、そのどれもがこの家具には合わない!

理由は鍵穴がかなり細くて奥行きが長い特殊な形状のため。

いろいろと探してみても、なかなか対応策がない状況の中、
偶然お客様のお部屋のキャビネットの引き出しの中で
眠っていた鍵が、少し加工を施せば丁度ピッタリと!

窮地を救っていただき、感謝、感謝です。

修理にお時間がかかりましたが、ようやくお届けを
させていただきました。

早速、ケースの中に、年月をかけて製作してこられた
素敵な手作りの” ピルケース ” を飾られました。

どの作品も本当に細かい手仕事が施されており、
手間隙をかけられた世界にひとつしかない逸品です。

これまでは、大きなショーケースの中に飾られていたのですが、
周りの大きなものに隠れて目立たなかったのが、ようやく
目立つ場所に来てくれた! と大変お喜びいただきました。

このテーブルも倉庫の隅にいた状態から復活して,
その上、お客様にも、とてもご満足頂ける場面で
ようやく日の目を見ることが出来て嬉しく思います。

                   シンキ  でした。