こんにちは
アールヌーヴォの商品をご紹介してきましたが
5回目の今回は、アームチェア。
アームチェア サイズ : 57 x 55 x 105 cm 座面、背面 生地張り |
有機的な曲線のイメージが強いアールヌーヴォーでは
珍しくフレームが直線的な印象です。
デザインは、Carlo Zen ( 1851-1918 ITALY )
一見したところ、アールデコの時代のチェアにも
見受けられますが、彼の活躍した年代は明らかに
アールヌーヴォー全盛期でした。
ミラノで家具のワークショップのオーナーでもあった
彼のデザインの大きな特徴は、きわめて繊細な
MOTHER-OF-PEARLの象嵌細工
フレーム全体に施されたMOTHER-OF-PEARL
の象嵌細工は、とても美しく、
とりわけ、極めて細いラインの象嵌は
繊細な華やかさを演出しています。
そしてメインは背面上部に施されたトンボの象嵌
このトンボの象嵌を見ると、やはりアールヌーヴォーの時代の
チェアだと確信します。
アールヌーヴォーの意匠として、よく登場するのが
昆虫、草、花、など自然界にあるもの。
トンボは、家具に限らず、花瓶、ジュエリーなどに
モチーフとして使われているのをよく見かけます。
ところで、アールヌーヴォーとはその言葉の通り
1900年前後にヨーロッパ各地で起こった
新しい芸術運動! と紹介してまいりましたが
実はこれには日本も大きく関わっていることを
ご存じでしょうか?
少し前の1880年~1890年頃にかけて
ヨーロッパでは、ジャポニスム ブームが起き
日本の文化が強い影響力を持っていました。
葛飾北斎は、その代表的な存在で、例えば
「 桔梗に蜻蛉 」 というこの絵に描かれている
トンボに、エミール・ガレや他多くの著名人が
大きく影響を受けたとも言われています。
Carlo Zen もその内の一人かも?
MOTHER-OF-PEARLの象嵌細工ー
光沢感は控えめで品良く存在感を示します。
是非一度ご覧あれ。
シンキでした